【パラサイト 半地下の家族】の石と犬の意味とは?メタファーを考察【ネタバレあり】

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引用元:https://eiga.com/movie/91131/special/2/

「パラサイト 半地下の家族」は、2019年に公開され、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門でアカデミー賞を受賞した韓国映画です。アジア映画でアカデミー賞を受賞したのは初めてであり、日本でも公開されるや話題となりました。

今回は「パラサイト 半地下の家族」で描かれている石や犬、高さなど、7つのメタファーについて解説していきます。

この記事では「パラサイト 半地下の家族」のネタバレがあるため、未視聴の方は視聴後の閲覧をおすすめします。

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「パラサイト 半地下の家族」のメタファー

上流階級と下流階級の自宅の「高低差」

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お金持ちと貧乏の比較として、わかりやすく提示されているのが高さ。日本語では「値段が高い」「地位が低い」と、上流階級と下流階級の違いを「高さ」として表すことが多いですが、パラサイトでは、わかりやすく彼らの住む自宅の立地である高低差で表されています。

物語の後半、雨でキャンプを中止したパク一家に対し、キム一家は自宅が水に沈んでしまうほどの被害を被ります。「雨でお出かけが台無しだった」と言う上流階級の一家と、「雨で自宅を失ってしまった」下流階級の一家。階級と自宅の立地が比例していることが伺えます。

犬をかわいがるパク婦人

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パク社長の婦人、ヨンギョは子どもたちの教育に家庭教師を雇うほど熱心ですが、子どもたちとスキンシップをしている様子は見られません。年頃の長女ダヘはまだしも、長男のダソンはまだ幼くもう少しスキンシップがあっても良いと思いますが、それが全く見受けられません。

変わりにと言ってはおかしいですが、パク夫人はいつも犬を抱きかかえています。おそらく手のかかる言うことの聞かない子どもたちよりも、おとなしく言うことを聞く犬のほうを大事にしていたのではないでしょうか。

パク一家の親子関係は、一見すると問題がないように思えますが、このような細かな部分に問題が浮き彫りになっていたように思います。

長女ダヘは恋愛に熱中し、長男ダソンは膝に載せてくれる偽家庭教師のギジョンになつくなど、子どもたちの行動からもこれらが伺えます。

水石

「パラサイト 半地下の家族」公式サイトより

水石は、ギウがエリート友人のミニョクからもらったもの。財物運、合格運があるというこの石をギウはもらってからずっと大切にしています。この水石は多くのメタファーを含んでいると考えられます。

  • 運・幸運
  • 富・成功の象徴
  • 若者の成功像であるミニョクの化身
  • 上記に対するギウの執着

大きくこれらのメタファーが考えられます。そしてギウはこれに執着しました。キム一家の住む自宅が洪水で水没したあたりからさらに執着が増していっており、体育館では「こいつがずっと僕から離れないんだ」と述べています。

そしてパーティの日、この石を地下に落としたことによってさらなる悲劇につながってしまいます。

完全な地下ではない「半地下」の理由

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物語の中盤、元家政婦のムングァイの夫、グンセが登場します。キム一家は「半地下」の存在でしたが、更にそのしたの「完全な地下」の存在が登場するのです。登場する3つの家族のいる場所を表すと次のようになります。

  • パク一家:高台
  • キム一家:半地下
  • グンセ:地下

キム一家は、パク一家とグンセの間である半地下にいる状態です。完全な地下の状態とは異なり、半地下はまだ目の前に地上があります。這い上がろうと思えば地上に上がれるのです。反対にさらに転がり落ちてしまえば、完全な地下にも言ってしまうということ。

そして物語の終盤でキムは、パク社長を刺殺したことにより、グンセがかつて住んでいた完全な地下の世界に潜り込みます。地上ではなく地下へと潜ることを選択してしまったのです。

パク社長の「一線を越えた」行為

http://www.parasite-mv.jp/

物語の終盤、キムはパク社長を包丁で刺殺してしまいます。なぜ彼は仕事で信頼関係を築いていたパク社長を殺してしまったのでしょうか。注目するべきはパク社長の普段の言動と、刺殺される直前の行動。

パク社長は、普段から仕事において各人の領域を遵守し、「一線を越えない」ポリシーを持っており、キムに対しても何度もそのことを伝えています。そんな彼が、地下から出てきたグンセの臭いに顔をしかめ鼻をつまみます。その様子を見て、キムはパク社長を包丁で刺してしまいます。

ポン監督「この映画では、互いの“臭い”を近距離で嗅ぐことができる状態になっています。パク社長のセリフに“度を越す”というものがあります。彼には『ここから先は入ってくれるな』という“ライン”がある。パク社長にとって、貧しい世界は『見たくないもの』『自分には関係のないもの』なんです。本作では(“ライン”を越えて)“臭い”が入ってきたことによって、悲劇がもたらされるんです」

https://eiga.com/news/20191225/4/

パク社長が「一線を越えないようにしてきた存在」が予想外に目の前に現れてしまったことにより、彼の本性(貧乏人に対する対応)が現れてしまいました。彼の臭いに対する反応は、まさに一線を越えた行動であり、この行動によって築かれつつあったキムとの関係性が崩れ落ちてしまったのです。

上流階級と下流階級の「におい」

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「パラサイト 半地下の家族」では、映画では本来描くことができない「におい」が物語の大きな鍵となっています。パク社長は、「一線を越えない」ことをポリシーとしていましたが、臭いは自分で制限できるものではありません。彼が一線を越えないように、目に入れない・触れないようにしていた存在が「におい」という点においては防ぐことができませんでした。

インディアンとアメリカ

インディアンはアメリカの先住民でありながら後に上陸した白人から迫害された人種であり、映画では「迫害されるメタファー」として描かれることが多くあります。映画「シャイニング」でもインディアンがメタファーとして使われていると言われています。

「パラサイト 半地下の家族」でも、パク社長の末っ子、ダソンがインディアンごっこに夢中になっている様子が描かれています。これはもともと住んでいたパク一家(インディアン)に白人(キム一家)たちが乗り込み寄生「パラサイト」することとも捉えられます。

さらにヨンギョをはじめパク一家は「アメリカの大学に留学していた」というギジョンをすぐに受け入れており、「アメリカ」という言葉が好きな様子が伺えます。

パク夫人の「時計回り」よりも重要な夫婦の”アレ”

物語の終盤にあるパク夫妻のラブシーンでパク夫人が発した「時計回りでお願い」という発言。どうやらこのシーンを含め、時計回り=富裕層、反時計回り=貧困層というメタファーになっているのではないかという憶測がインターネット上で複数見られます。

個人的にさすがにこれはこじつけすぎではないか……?と感じています。それよりも注目するべきは、グンセたちが住む地下室にあったコンドーム。一瞬ですが、使用済みのコンドームがデカデカと映し出されたのでドキリとした方もいるのではないでしょうか。(パク夫妻のラブシーンよりはまし?)

これは富裕層であっても貧困層であっても、夫婦の営みは同じという皮肉だと言えます。

「パラサイト 半地下の家族」のメタファーまとめ

映画「パラサイト 半地下の家族」で描かれるメタファーについて解説しました。犬や石など、一見すると見逃してしまうようなところに深い意味が込められており、非常に興味深いですね。

今回解説した部分以外にも多くのメタファーが隠されています。すでに映画を見た方も再度鑑賞して探してみてください!

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本ページの情報は2021年4月時点のものです。
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