映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を考察してみた【ネタバレ】

映画
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20210309-00226440/

2021年3月8日に公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」では、これまでのエヴァシリーズの完結編ということで、大きな注目を集めています。公開初日ですでに8億円もの興行収入があがっているにもかかわらず、SNSにネタバレが一切あがってこないといったファンのリスペクトも話題となっていますね。

私も公開して数日後には見に行きました。もともとエヴァは全然触れてこなかったのですが、エヴァ序破Qを見てブログにまとめているうちにハマってしまいました。

シン・エヴァも改めて自分のなかでまとめる意味合いも込めて、今回明らかになった真相を絡めながら個人的な考察をしていきたい思います。

青春時代をエヴァと過ごしてきた歴戦の猛者たちには劣るかもしれません。もし誤った知識・認識がありましたらご指摘いただけると幸いです。

この記事では「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のネタバレがあります

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この記事では「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のネタバレがあります

Rumi
Rumi

大事なことなので、3回言いました

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の考察:物語編

SF小説『未来からのホットライン』から読み解く【エヴァループ説】

シン・エヴァのサブタイトルである『Thrice Upon A Time』は小説『未来からのホットライン』の原題です。この小説は、タイムループ系のSF作品として、アニメ『シュタインズ・ゲート』に影響を与えた作品としても知られています。

以前から「エヴァの新劇場版は旧劇のループなのでは?」と言われていましたが、これにより一層エヴァループ説が濃厚となりました。またタイトルにもリピート記号があることからも、「繰り返し」の物語であるという認識がされていました。

『未来からのホットライン』あらすじ

ハードSFの巨星が緻密に描き上げる“時間間通信”の姿。大胆不敵な時間SF!

スコットランドの寒村の古城で暮らすノーベル賞物理学者。この老科学者が地下の実験室で開発したのは、60秒過去の自分へ、6文字までのメッセージを送るプログラムだった。孫たちとともに実験を続けるうち、彼らは届いたメッセージを60秒後に送信しないという選択をしたが、何も起こらなかった。だがメッセージは手元に残っている。では送信者は誰なのか?そして、この宇宙はいったいどうやってできあがっているのか?

引用元:https://www.amazon.co.jp/

『未来からのホットライン』の内容は、大雑把に言ってしまうと、上記の通り未来の自分からのメッセージで、未来を再構成する話です。

シン・エヴァもこの小説同様、これまでの「エヴァが存在する世界」を書き換え「エヴァのない世界」を再構築しました。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の考察:キャラクター編

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」で明らかになったキャラクターの事実から、考察していきます。

【式波・アスカ・ラングレー】式波シリーズと惣流アスカ

これまでのエヴァでは、綾波レイがシンジの母である綾波ユイのクローンであることが、わかっています。しかしシン・エヴァではアスカもクローンである「式波(シキナミ)シリーズ」であることが明かされていました。

さらに13号機に取り込まれる直前、アスカはオリジナルのアスカと遭遇しています。このオリジナルは惣流アスカであることが彼女たちの会話と後のゲンドウの説明から推測できます。

やはり式波アスカは使徒化していた

エヴァQでアスカが眼帯をしており、その謎がずいぶん議論されていました。さまざまな憶測が飛び交う中で有力だったのが「アスカは使徒化していてそれを眼帯で抑えているのではないか」というもの。

シン・エヴァでは眼帯を外すことで、使徒の力を使っており、「アスカ使徒化説」が正しかったことが証明されました。

アスカとケンスケの関係性

アスカでさらに衝撃だったのが、まさかのケンスケとくっつくことを匂わせるエンド。SNSやYouTubeなどではアスカファンが阿鼻叫喚の声を上げている様子が伺えます。

一部では「二人は恋人関係だった!」なんて意見もありますが、個人的には恋人説はないかなと思っています。アスカは、誰かから認められたくて頑張っている姿が何度も劇中描かれています。それは本来、見守ってくれる保護者(親)の存在がなかったから。そのためいつしかアスカは諦め「ひとりで頑張らなくちゃ」と唯一心許せる人形を通じて、自分に言い聞かせます。

そんななか、大きな人形のなかから現れたのがケンスケ。ここでは、視聴者だけでなくアスカ自身も驚いています。アスカ自身もこのシーンではじめて、自分のなかでケンスケが大きくなっていることに気づいたのではないでしょうか。恋人だったらこういう描き方はしないのでは?

ケンスケはどちらかというと、恋人というよりも保護者的な立ち位置が近いんじゃないかなと思っています。

そしてその事に気づき、アスカは成長しラストの砂浜では大人の姿になっている。そしてシンジと互いに「好きだった」と過去形で伝えあっています。これからアスカとケンスケの関係性が変化することは考えられますが、あの時点での恋人説はないと考えられます。

というか男女が通じ合っているだけで性的関係という図式で考えるのまじでもうやめようぜって個人的には思ってしまう

【イスカリオテのマリア】真希波マリの正体とは

「エヴァ破」で初めて登場し、長らくその正体に多くの謎があった真希波マリ。シン・エヴァでも冬月に「イスカリオテのマリア」と呼ばれており、さまざまな憶測が飛び交っています。黒幕説やマリループ説もありますが、私なりに考察してみたいと思います。

まず「イスカリオテのマリア」とは何を表しているのでしょうか。おそらく下記の2つのキーワードを組み合わせた造語だと考えられます。

イスカリオテのユダ:新約聖書に登場するイエスの12人の弟子のひとり。いわゆる使徒の中のひとりで、イエスを裏切った人物として知られています。

マグダラのマリア:新約聖書の福音書に登場するイエスに従った女性。共観福音書では、「イエス・キリストが十字架にかけられるのを見守り、イエスが埋葬されるのを見、そして墓の方を向いて座っていた婦人たちの中で、最も重要な人物」とされています。
西方教会では教義上、罪深い女とされ、娼婦やイエスと結婚していたのではという仮説も存在します。

マリアは、「聖母マリア」も考えられますが、マリの立ち位置的に「マグダラのマリア」のほうが近いんじゃないかなと個人的には思ってます。

つまりマリは、かつてゲンドウやユイたちとともに研究していた人間でありながら、ネルフを裏切り、そして主人公(イエス的立ち位置)であるシンジを見守り導いた人物とも言えます。さらに最終的にラストのシンジとの関係性にもつながる……というのは考えすぎですかね。

【渚カヲル】カヲルくんループ説は正しかった

「また3番目とはね。変わらないな、君は」
「さあ約束の時だ、碇シンジ君 今度こそ君だけは 幸せにしてみせるよ」
「ごめん、これは君の望む幸せではなかった」
「そんな顔をしないで また会えるよ、シンジ君」

渚カヲルのこのような発言から、旧劇と新劇の作品をループしているのでは?という「カヲルくんループ説」が濃厚にありました。

そしてシン・エヴァでは「僕は定められた円環の中で演じる事を永遠と繰り返さなければならない」という発言でそれが真実であることが明かされました。

渚司令!?加持リョウジと意外な関係性

さらに驚きだったのが、カヲルくんが加持リョウジに「渚司令」と呼ばれているシーンがるところ。詳細は不明ですが、これはカヲルくんがループした一つの世界での役割と考えるのが一番しっくりきます。

【碇ゲンドウ】ゲンドウの目的、そして一番逃げてるのは彼だった

シン・エヴァのクライマックスでは、初めてゲンドウのこれまでの人生や、彼や人類補完計画の目的が明かされます。そこでは、〇〇インパクトと呼ばれる大災害には次のような目的があったことが明かされます。

セカンドインパクト:海の浄化

サードインパクト:大地の浄化

アディショナルインパクト:魂の浄化

そしてゲンドウ自身の目的は、これを実現することで、妻であるユイにもう一度会うこと。

しかし彼はユイの息子であるシンジと向き合うことができず、結果的に彼を突き放してしまう行動に出ます。現実世界からシャットアウトするためにイヤフォンで世界を断絶し、そのなかで唯一出会った最愛の人の息子ですらも突き放してしまったゲンドウ。

実はこの物語で一番逃げていたのは、ゲンドウだったんですね。しかしシンジはそんなゲンドウと自分を重ね合わせてしまいます。シンジもこれまで散々向き合うべきことから逃げてきましたからね。

そして最終的にゲンドウ=過去の自分と向き合い、最終的な決着をつけます。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の考察:ラスト

「イマジナリー」の世界から「リアリティー」の世界へ

カヲルくんは劇中、シンジに向かって「君はイマジナリーの世界からリアリティーの世界へとすでにかえっているんだね」という旨のセリフを述べています。(すみません、ここは記憶が曖昧なので細かなセリフは間違っている可能性があります;)

このセリフのようにエヴァのラストでは「イマジナリー」の世界から「リアリティー」の世界へと展開していく様子が描かれています。

  • シンジが父ゲンドウと戦うシーン→特撮(リアルと虚構の狭間)
  • マリと再会するシーン→原画から徐々に色づいていき、アニメになっていく
  • シンジとマリが駅を出ていくシーン→駅の風景が実写になっている

シンジとゲンドウが戦うシーンでは、第3新東京市やミサトさんと暮らしていたマンションの一室は何か違和感がある感じ。建物は踏み潰されずなぜかずれていくし、シンジが突き飛ばされると空だった背景がよれてしまう。そうか、これは特撮の撮影スタジオで行われているのか!ここはもう、庵野監督の特撮愛が溢れていました。

そしてラストでは、マリがシンジを迎えに来ました。ここでは一切の色が消え、アニメの絵コンテから徐々に色がつき、アニメとして完成していく様子が描かれます。

そして新たに「エヴァのない世界」として構築された世界で、今度はシンジがマリの手を取り駅を駆け出していきます。そのシーンでは駅の風景は実写映像で、シンジとマリがアニメとして描かれています。

この一連の流れは、個人的にフィクションの世界から徐々に現実の世界へと戻っていくということが表現されていると感じました。これまでも、あえて特撮的に戦いを描く手法はされてきましたが、今回は結構あからさまにそれを提示し、舞台裏を見せ、そしてこれまでの登場人物たちを救い、自分も現実に帰っていく。

「これまで自分はたくさんの人に手を差し伸べてもらって、ここまでやってきた。だから今度は自分が手を差し出し、誰かのちからになろう」そんな想いが込められているような気がしてなりません。

なぜ宇部新川駅なのか?

さらに「宇部新川駅」は実際に山口県宇部市に存在する駅。そして山口県宇部市とは、庵野監督の出身地でもあります。エヴァでは電車は精神世界を描くシーンでいつも登場しており、その電車から降り、駅から走り出していくところで終わることからも、現実に帰っていくことを表していると言えるでしょう。

まとめ・感想

シン・エヴァの考察や個人的な解釈をまとめてみました。

個人的には、だいぶわかりやすく説明されていたので、新劇(とくにQ)で「????」となった身としてはかなりありがたかったです。そして何より前半の綾波がかわいすぎた……。これまで完全にアスカ派でしたが、前半は綾波にキュンキュンしてました(だからこそ綾波がLCL化してしまったのはショックだった)

あと個人的にはアスカとケンケンは全然アリだと思いました。予想外の展開に驚きはしましたが……。

「でも幸せならOKです」

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