『シュガーマンマのーケティング30の法則』が読みたいけれど時間がない
マーケティングのコツを手っ取り早く学びたいな
このような方に向けて、この記事では年間200冊本を読む私Rumiが『シュガーマンのマーケティング30の法則』の最も重要なポイントと、要約を紹介します。
結論:いちばん大事なのは「ユーザーファースト」
『シュガーマンのマーケティング30の法則』では、人間心理に基づいたさまざまなマーケティングのテクニックが紹介されていますが、全てにおいて共通しているのは、商品を購入する顧客のことを徹底的に考える「ユーザーファースト」であること。「自分がこの商品を売りたい」よりも、
- この商品を買う人はどのような人か?
- 顧客のどのような悩みを解決できるのか?
- 顧客がこの商品のどの部分を魅力的だと思うのか?
を考えることが重要です。
顧客がモノを買う心理トリガー30
本書で紹介されている顧客がモノを買う30のトリガーをご紹介します。
一貫性の原理
いったん購入すると決めた顧客は、さらに「ついで買い」をするなど、最初に決めた行動に一貫性をもたせようとします。顧客が購入を決めた瞬間に関連商品や付属品をおすすめすると購入率は通常よりもぐっとあがります。
適切なアピールポイント
販売する商品の特製をよく理解し、顧客との接点を見つければ、商品は売れやすくなります。誰に対しても同じアピールをするのではなく、顧客と商品を知り、2つの接点をアピールすることが重要です。
顧客の特徴
商品を売りたい顧客を熟知すること。顧客がどのようなものを求めているのか、商品に何を求めているのかが分かれば、こちらが進めなくても顧客のほうから商品を求めるようになります。
欠点の告知
商品の特性や顧客の心理も理解したとしても、商品の欠点を隠すようなことをしては、顧客は満足してくれません。一時的な売上は伸ばすことはできるかもしれませんが、長期的には続かないでしょう。欠点は隠すよりも、早い段階で顧客に伝えたほうが良いです。欠点を理解したうえで購入すれば、より満足度が高くなり、売上にもつながります。
抵抗感の克服
顧客が感じるであろう商品への抵抗感の部分を克服することが重要です。欠点は見方を変えれば長所にもなります。そのため、顧客が感じるであろう抵抗感を逆手に取ってアピールしてしまうことも可能です。
巻き込みとオーナーシップ
顧客に商品を販売するときには、あたかも顧客がすでに商品を所有しているかのように離すことが重要です。五感や感覚に訴えかけることで、よりリアルに商品を感じ、顧客の購買意欲を高めることができます。
誠実さ
「誠実さ」とは、「言行一致」のこと。安物のジーンズを履いている人から高級車を買いたいと思う人が少ないように、商品を販売するには、それに伴った誠実さが求められると言います。
物語
人はみんな、昔から物語が大好きです。商品を販売する際には、その商品と顧客自身を絡めたストーリーを作ることで、顧客と商品のつながりを深めましょう。
権威
顧客は少しでもいいから、権威のあるところ・人から商品を購入したいと考えています。そのため自分自身や会社にかかわる何かしらの優位性を探し出し、アピールしましょう。ちなみにこの記事の冒頭でも、とある優位性を示しています。
お買い得感
どれだけお金持ちでも顧客は商品に、それ相応の価格を求めるもの。そのためその商品の値段の裏付けや、その商品を買ったことでどれだけ節約できるのかを顧客にアピールすることが重要です。他社製品と比較し、商品がどれだけお得かといった正直なアピールをすることも効果的です。
感覚
顧客に感覚を想起させること。ポイントは、
- 「言葉」「印象」「感情」に溢れたセールスは効果が出る
- 感覚に訴えるが、理屈でその買い物を納得させる
例えば「モーテルのおばあさん」と「小柄な老婦人」それぞれがいる宿泊施設、後者のほうが魅力的に感じるのではないでしょうか。少し言葉やアピールポイントを変えることで、顧客の感覚に訴えかけることができます。
理屈による正当化
顧客は、買い物をする際「なぜこれを買うのか?」を無意識に納得したがります。そのためまず感覚で買うきっかけを与えたら、「なぜ買うのか?」を満たす正当な理由を提示する必要があります。コスト削減や実用性、機能性など顧客が納得する商品の価値をアピールしましょう。
強欲
「強欲」は、あまり褒められた性質ではありませんが、すべての人間が持つ性質の一つです。商品を多く売りたければ、自分が得した感じられるような「お得感」を感じさせる必要があります。販売する商品をできるだけお値打ち価格であると感じさせましょう。
信頼性
信頼性とは、信用できることである。信頼性を築くテクニックとして「専門用語」を交えて説明することが挙げられています。自分がその商品に精通していることを正直に話すことで、顧客から信頼してもらうことができます。
また、信頼性を損なう要因として考えられるのが、顧客が感じている疑問に答え切れていないということ。疑問が解決されないと、何か欠点を隠しているのではないか?と感じ、顧客は商品を買ってくれません。
満足の確約
「私はこの商品でお客様を満足させる自信があるので、例え自分が損をしてでも保証してみせます」こう言い切られたら、思わず買いたくなるのではないでしょうか。よくある「商品のお試し期間」を超え、「満足できなかったら全額返金」など、商品に対する絶対的な自信を見せましょう。
リンキング
商品と顧客がよく知っているものを結びつけることで、顧客は商品に親近感を覚え、購入につながります。リンキングは、商品と付加価値を与えるものと結びつけたり流行に便乗したりすることができます。売ろうとしている商品・サービスに付加価値を与えてくれるリンキングを見つけましょう。
帰属欲求
人には、グループに所属したいという帰属欲求があります。そのため商品を購入する人が、その商品を手に入れることで、どのようなグループに所属できるのか?を考え、それをアピールすることで購入につなげることができます。
収集欲求
人間には、モノを収集したいという「収集欲求」が少なからずあります。フィギュアや漫画などのわかりやすい「オタク」カルチャー以外にもアパレルや腕時計、車など、同じ種類のものを集める人は少なからず存在します。
そのため、売りたい商品を集めている人はいるか?を考えてマーケティングすることが重要です。
切迫感
顧客が商品をいますぐにでも購入するよう「切迫感」をアピールし、その場で買ってもらう事が重要です。
このときに気をつけたいのが、「今買わなければ、2,3日で売り切れてしまいます」など見え透いた嘘をつかないこと。このような見え見えの嘘では、顧客から信頼を得られません。ではどのようにすればよいか?著者が行っていた方法は、「デビュー特別価格」というもの。必ずしも、その後値上げをするとは言い切れませんが、デビュー直後が一番お買い得であることをアピールすることができます。
またこれ以外でも売ろうとしている商品を、顧客がすぐに購入するべき理由をじっくりと考えることが重要です。
限定
自分以外には、わずかな人しか持っていないと言う事実は、強い動機付けとなります。そのため「限定品」や「超高級品」は顧客の購買意欲を強く刺激します。
例えばロレックスのデイトナの中でも、1970年~1988年頃に製造された「6263」「6265」といった型番の腕時計は、「レア腕時計」「ヴィンテージロレックス」として非常に人気であり、市場価格は1000万円を超えます。今でこそマニア垂涎の腕時計ですが、当時デイトナはロレックスのなかでもあまり人気がなかったモデルでした。そして人気がなかったからこそ、製造数がそこまで多くなく、レア商品として知られるようになったのです。
単純明快さ
マーケティングにおいて、いかにシンプルでわかりやすく伝えられるかが重要なポイントとなります。広告でも複数の商品を取り上げるよりも一つの商品にフォーカスしたほうが良いと言います。実際に、著者が折込広告で実験したところ、多くの商品を掲載するよりも、一つの商品を大々的に取り上げたときのほうが3倍多く売り上げることができたそうです。
罪悪感
人には、誰かに何かをもらったら、お返しをしなければならないという「返報性の法則」を持っています。この性質を利用し、顧客に何かを買ってほしければ先にこちらから何かをしてあげることで、相手が何かをしなければ落ち着かないと言う状況を作り上げることができます。
「返報性の法則」に関しては『影響力の武器』にて詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて読んでみてください。
具体性
商品をアピールするときには、より具体的にしたほうが魅力を伝わります。例えば「歯科医院で採用されている歯磨き粉」よりも「歯科医院の92%で採用されている歯磨き粉」と言った具合です。
親近感
人には、繰り返し見たり聞いたりするものやブランド、商品に対して親近感を覚える性質があります。そして無意識的にそれに意識が向くようになります。そのため、売りたい商品を顧客の目や耳に入るよう宣伝をすることが重要です。
パターンニング
似たような商品を売って成功を収めた人を真似て、商品を売ることも一つの方法です。自分が売りたいと考えている分野で成功している人たちを分析し、真似しそして自分なりのアレンジを加えましょう。
期待感
顧客はものを買うとき、何かしらを期待して買い物をします。「クリームを買えば、シワを薄くできる」「ビタミン剤を買えば健康になれる」といった具合に……。そのため売りたい商品が顧客にどのような効果を与えられるのかをアピールしましょう。
好奇心
好奇心によって、人は大きく惹きつけられます。そのため購買につなげる上で、顧客の好奇心をひきつけ続けることが重要です。
市場とのマッチング
顧客や顧客のニーズに合わせること。シンプルかつ当たり前のことですが、重要なことです。自分のやりたいこと、好きなこと、素晴らしいと思う商品も、顧客から求められなければ売れることはありません。自分のことを考えることも重要ですが、顧客を置き去りにせず「顧客が何を求めているのか」を考えることがシンプルで最も重要なことです。
考えさせる力
セールストークをわかりやすくしすぎず、顧客に少し考えさせることも重要です。「この商品はバク売れしています」よりも「この商品は、毎日入荷しています」という方が少しひねりが効いていて良いと言えます。顧客に一から十まで説明するのはていねいですが、購買に結びつけたいのであれば、ところどころ顧客に考えさせることを心がけましょう。
顧客に考えさせるには、脳の「思考、直感、感覚、感情」の4つの領域を刺激することで、販売プロセスに巻き込むことが重要です。
正直さ
いままで紹介した中で、最も重要なことがこの「正直さ」です。欠点を隠したり嘘をついたりして商品を売りつけようとしても、顧客はそれを見抜きます。そしてそのようなことをする人からは絶対に商品を買おうとはしません。いつでも正直にいることが最も重要なのです。
『シュガーマンのマーケティング30の法則』で人間心理に基づいたマーケティングを!
『シュガーマンのマーケティング30の法則』を紹介しました。本書の内容は人間心理に基づいているため、小手先のテクニックではないところが魅力的でした。『影響力の武器』にも多数通じるところがあり、この2冊を読めばより人間心理をマーケティングに活用できるのではないかと感じます。
また本書の魅力の一つに、コピーライティングがあります。ここでは紹介しませんでしたが、目次には思わず「好奇心をそそられる」キャッチコピーが載っているので、こちらもあわせて楽しんでみてください。
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